

OTHER WORKS
−その他の作品制作−
詩・短歌・ロゴデザイン、その他
※Lennon's Loupeはロゴデザインや、詩・短歌を始めとする執筆活動もしております。
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ロゴ・ステッカーデザイン

Lennon's Loupe ロゴ
黒のシルエットは「虫眼鏡」と「真上から見た人の頭部」のダブルイメージで、虫眼鏡による幸せ(ハート)の発見と、その幸せが脳内に広がる様を表しています。
青と紫は「右脳」と「左脳」、「感情」と「論理」、「ポジティブ」と「ネガティブ」等、対極にある様々なものの象徴であり、それらが融合することで、幸せが構築されることを表しています。
JASECA ロゴ
半円上の文字は、「地球」や「夜明け」を表しており、グローバル化した未来に向けて、大きく成長していく子供達(新芽)を表しています。


World Peace Game
ステッカー
世界の困難に直面しながらも、希望を失わない少年を描きました。
※ワールドピースゲームとは、1978年、米国の小学校教師だったジョン・ハンター氏が考案した世界の課題解決型シミュレーションゲームです。ハンター氏がTEDトークに登壇したことで一躍有名となりました。
短歌
第7話 孤独な数字を愛でながら 無色透明の感情で死ぬ
「許せない人なんてもういないよ」と 想起した影 瞬きで消す
河川敷 一生懸命花を摘み 君に届ける幼い日の恋
騒がしい靴底鳴らし駆け寄った 人間不信だったのは過去
誕生日と同じ数字だと君に渡した切符 改札を滑る
穴空いたペットボトルに星空と秩序と矛盾 詰め込んで売る
天邪鬼 よく笑うねと言ったから 不機嫌なふり 口尖らせて
喪失し 立ち尽くしても ジリジリと 未来を拓く 秒針の音
雨音に 素数のリズム 垣間見て リーマン予想 解いたと嘯く
恋蛍 振り向きざまにつかまえた 夏の夜空に呼ばれた気がして
春忘れ 虹を写生し売り売れず 落とした自我を脳裏に拾う
絡まった 憎悪にまみれた弱者の手 37度で溶かしてほどく
暴言の中に見つけた柔らかな嘘と無邪気な愛への失意
堕落して大きく育った呵責の実 作り笑いはいつかは引き攣る
詩
スロウカーブ
喘息患者の気管支が収縮するように
あの日描いた夢も収縮を繰り返す
流線型を描きながら膨らむイメージは
曖昧な多面体をなぞって加速する
エーテルの風の中
僕等は泳ぎ出す
風を呼んで舞い上がれ
剥がれた空を越えて
相対性理論も及ばぬ域で僕等は加速する
未来から過去へ
過去から未来へ
未来から過去へ
過去から未来へ
世界の誰かが死にそうな程飢えていても
僕は歌うことしか出来ない男だ
テーブルの上じゃ世界の秩序と矛盾が
ぐちゃぐちゃに所狭しと散りばめられていた
それをスライスして
パンに挟んで食べたんだ
逃れ逃れど風はやってくる 絶望を引き連れて
だから背中の羽根を広げ全部受け止める
風を呼んで舞い上がれ
剥がれた空を越えて
相対性理論も及ばぬ域で僕等は加速する
未来から過去へ
過去から未来へ
未来から過去へ
過去から未来へ
何処か遠くで子供が泣いてる声がする
何かのサイレンみたいに僕を掻き乱す
やがて泣き声は後方で彎曲しながら
波風立たぬ水面を滑って弾け飛ぶ
絶望はいつも
未来と過去の狭間で僕を揺さぶりながら
スロウカーブを描いて消える
儚い記憶へ
曖昧な過去へ
未来から過去へ
過去から未来へ
廃人のコメディー
絶望のカタルシスは
今日も陽気に街を闊歩する
どんちゃらぺっちゃ、ふらりんひょ
ふにふにのバニーと若気の至りは
薄目で未来を覗き込む
どんちゃらぺっちゃ、ふらりんひょ
やいやい、オメェよぉ
オイラの顔見てビビりなさるな
直視した後、自分がどうすべきか考えりゃあ済むことだ
そういう意味じゃあ、過去も未来も現在も
見えたところで学ぶべきものはおんなじさぁ
どんちゃらぺっちゃ、ふらりんひょ…
どんちゃらぺっちゃ、ふらりんひょ…
愚民に知性を与えなせぇ
貧民に権力を与えなせぇ
よく眠る子にはキスを
ドンペリニヨンには小便を
どんちゃらぺっちゃ、ふらりんひょ…
どんちゃらぺっちゃ、ふらりんひょ…
泣き虫スキップとノッポのジョーは
地球儀がテーブルから転げ落ちる夢を見る
ビクッてなっておっちっち
どんちゃらぺっちゃ、ふらりんひょ
くるりんパッチとスズメのプーは
チャイニーズ・マフィアになる日を夢見てる
どんちゃらぺっちゃ、ふらりんひょ
サーチライト
何もないまま僕が歩いていくのは
君の事を見つめていたいと願うからだ
誰にも聴かせることのないラブソングを
一生懸命に紡ぎ出すのは
君にもっと自信を持って欲しいと願うからだ
映画を見た後
僕はこの町をぶらぶらすることにした
学校と自宅を行き来するだけの毎日は
何か退屈で
ただただ削り取られていくだけの日々に
我慢できなかったからだ
四年間も大学に通い続けたはずなのに
僕はこの町のことを何も知らなかった
少し濁ってる小さな池
つまらなさそうに釣りをする人
お洒落なレストラン
小さいのに、何故か人の集まる公園
妙にデザインされた工場
落書きだらけのトンネル
ザリガニのいるバイパス下
交通整備で役に立たない信号機
開いてるのか、閉まっているのかもわからない飲食店
むせ返るように太陽を照り返したバイパスでは
「只今の気温は31℃」と表示されていた
排ガスの臭いが、汗で湿ったTシャツに染み込んでいく
今日は映画を見て泣いたよ
百何分もの間
僕は君を思い出さなかった
主人公の印象的な台詞を頭の中で何度も繰り返しながら
煙草を吸おうかどうか迷っていた
僕が自信なさげに明日を語るのは
君を引き止めておきたいと願うからだ
僕が君とうまく話せないでいるのは
ただただ君を美しいと思うからだ
ルミノール
肺に達する前に吐き出された煙は
胸の内部に混在するトゲトゲやグニャグニャを引き連れて
僅かにブレながらも
回転する中心軸に引き摺られるように
その像影をほどき
前方よりやや斜め上方の虚空へと
溶け込んでいく
今まで気付かなかったことや
今まで気付こうとしなかったこと
傷つけた人々や
君の横顔
若気の至り
空中をてうてうと漂っては消えていく像影は
次第に平衡感覚を鈍化させた後
記憶の遠近感を曖昧にしてゆく
アスファルトを剥がしても
大事なものはもう
そこにはなかった
空中都市論
災い過ぎて迷わざるが如し
即ち、是此処に在るべき姿を透かさずして沈む
笑え
笑えよ
腐敗しうる飯を右手で握り潰し
閑散たる牛舎から虹を眺めよ
愕く無かれ
バビロンには実にワンダフルな予定調和の神が居る
其処におわす人類最大の虚構の残骸は
武器を持たぬ兵士達の手によって
明日の未明に殺される
さぁ今こそ遣り残しの墓場へレッツゴー
言わずもがな夜明けは向こう岸からやって来る
祝杯を交わし体内を流れ行くアルコォールは
何時までも煩悩を覚醒し
伸びきった血管をさらに軟化させた後
頭骨内に硝子の破片を散りばめる
嗚呼 人肌の温もりを私に与へてはいけませぬ
私はただただ枯れない花が欲しいのです
そこには絶望しかなく
私を何度も夢の中で死に急がせるのです イエーイ
時計のアラァームが瞼の裏に火花を散らす
嘲笑え
嘲笑えよ
このままでは生きていけぬ
私は何度も想像の中で死んでいる ははは。
雑念 オン ザ ロック
どんな餌を食べて花は燃えゆくの
どんな風が吹いて君は死んでゆくの
風邪にやられた曖昧な味覚で
苦いミルクを一気に飲み干した
流線型を描きながら鼓膜を突き破って進入する音は
頭骨内で破片と化したカタルシスと共に
ガソリンの結晶の様なメタモルフォーゼを形成し
次第に赤く
黒く
鮮やかな
光学的微粒子を発散させ
白濁した水晶体を貫いて
歪な形の網膜に達する
…交感的解放
放出的騒音による着地点を持たぬ普遍的崩壊音楽群
偶発的写像の腐敗的賛歌
有機物の排他的渇望とその情景
アニミズム的媒介による神との対話
永久凍土と夕立の蟲
沈黙の半壊…
息を止めたまま
僕は彼女を愛せるか