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  • 執筆者の写真眞蔵修平

自己肯定感を育み、子どもがゲームよりも、ピアノの練習や勉強にのめり込む関わり方。

前回に引き続き、お子さんとの関わり方のちょっとしたコツをお話しします。


ポジティブフィードバック3に対し、ネガティブフィードバック1。

これは、音楽の練習に限りませんが、子どもに何かダメ出しをしたくなったら、まずはその3倍ぐらい良いところを指摘すると良いと言われています。これは心理学的に最も人が成長しやすい比率と言われていて、他にも7 : 3等、諸説ありますが、だいたいこれぐらいの割合が示されています。


ご自身の体験を振り返っていただくと実感いただけると思いますが、人はダメ出しばかりでは成長しませんし、同じく褒められてばかりでも成長しません。


とはいえ、ほとんどのご家庭で、ダメ出しが多くなっていることが現実ではないでしょうか。

どんな小さなことでも構いません。練習が10分で終わってしまっても、昨日5分しかしていなかったのなら、「昨日より5分も長く練習出来たね」。椅子に座っただけで練習しなかったとしても「練習しようとしたことは素晴らしいことだよ」と声掛けしてみましょう。


こういうことを言うと、「そんな小さなことでも褒めなきゃダメですか?」と質問されることがあります。


もちろんです(厳密にいえば、これは「褒め」ではなく、「勇気付け」です。「褒め」と「勇気づけ」の違いは前回のブログをご参照ください)。


少し話は逸れますが、子どもが何故、勉強やピアノの練習よりも、ゲームに夢中になるか考えてみましょう。


もしゲームをあまりしたことがないようでしたら、何でも構いません、無料の携帯ゲームでいいのでダウンロードしてプレイしてみてください。


ただ指を動かすだけで、過剰な演出とともに「お見事!」「パーフェクト!!」「グレート!!」「コングラッチュレーション!!」という言葉が、数分おきに表示されます。ゲームによっては、ログインするだけで「ログインボーナス!」と表示され、アイテムをもらえたリします。


ゲームよりも、勉強やピアノの練習にのめり込んでもらいたければ、ゲーム以上にポジティブなフィードバック(勇気づけ)を返す必要があります。ただ椅子に座っただけでも、練習しようとした意思については認める。それがピアノの練習におけるログインボーナスとなります。


とはいえ、ポジティブ3、ネガティブ1を実現することがいかに難しいことであるかは、私も一人の親として実感しています。


理想は、普段から呼吸するようにポジティブな声がけを意識し、ダメなところもちゃんと注意することです。


その際に、意識して頂きたいことは、ポジティブな声掛け後に「でも」という言葉を使わないこと。


「あなたは〇〇なところが素晴らしいね。でも〇〇を改善しないとそれ以上はうまくならないよ」


これだと、せっかくの褒め言葉が「でも」によってキャンセルされてしまいます。


「あなたは〇〇なところが素晴らしいね。じゃあ、もっとうまくなるにはどうしたらいいと思う?」

「あなたは〇〇なところが素晴らしいね。〇〇すると更にうまくなるんじゃない?」


yes,but〜ではなく、yes,and〜でコミュニケーションをとる。ある程度トレーニングが必要ですが、これらのことを意識するだけでも、関係性は変わっていくと思います。


他の子と比べてどうかではなく、昨日の自分と比べてどうか。

ありがちな家庭内での関わり方の一つとして、「〇〇ちゃんに比べてあなたは……」「もう〇年生なんだから、これぐらいできないと……」と、親が勝手に、比較対象を設けてしまうケースがあります。


人と比較する習慣が身についてしまうと、世界で一番にならない限り、自分自身を肯定することはできません。


また、自分よりも未熟な人を見下すように育っていきます。


お子さんが、自分と他人を比較して、劣等感や優越感を感じているようであれば、「昨日と比べてここができるようになったね」と指摘したり、「昨日の自分と比べてどうなの?」と問いかけてください。昨日の自分を乗り越えていくことで、自己肯定感は育まれていきますし、不要な劣等感を感じることなく、練習に集中することができるでしょう。


心理学的には、劣等感だけでなく優越感も、自己肯定感の低さから生じると言われています。自己肯定感が高い人は、わざわざ他人と自分を比較しなくても、自分が素晴らしい存在であることを知っているからです。


ただ、お子さんが、自分で設定したライバルや目標については否定する必要はありません。

「〇〇ちゃんより上手くなりたい」「有名なピアニストの〇〇のように弾けるようになりたい」という気持ちは、劣等感や優越感が生じるものではないので、良きライバル、良き目標として、応援してあげることが重要です。


環境を整えて待つ。

さて、前回より長々と書いてきましたが、これらを実行したからといって、すぐに明日から変化があるというわけではありません。子どもは、保護者の皆さんと同じように、少しずつ、少しずつ成長していきます。


そしてお子さんは、ご両親のことをとてもよく観察しています。「子どもを変えたければ、まずは自分自身から」が教育者としての基本の考え方です。まずは自分自身が成長する姿を見せていきましょう。


そして、環境をしっかり整えたら、焦らず、急かさず、必ず成長すると信じて、見守ることが大切です。


逆に言えば、お子さんがいつまで経っても成長しないようであれば、環境そのものを整えていく必要があるかもしれません。


長くなりましたが、ご家庭での関わり方の参考になれば、幸いです。





<著者プロフィール>

眞蔵 修平(まくらしゅうへい)

代表取締役CEO / 教育プロデューサー / 学習環境デザイナー / メンタルコーチ / 平本式認定心理カウンセラー 【プロ】/ 教育漫画家

立命館大学理工学部卒業後、公立中学校に赴任。様々な教育問題に直面し、外側から教育現場を変えることを決意。2015年より、教育系企業と関わりながら、自身の創作活動やコーチングスキルを教育現場と結びつける活動を開始。

多様性を認め、誰も苦しまなくていい環境、誰もがのびのびと生きていける環境を、教育現場を超えて提案していきたい。詳細はコチラ


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勇気づけ


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