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  • 執筆者の写真眞蔵修平

子どもを性犯罪から守る方法。

20代の頃、2年ほど女子高で数学を教えていたことがあります。



その学校で、懲戒免職者1名、逮捕者1名が出ました。私が在籍中の2年間で、です。



1人目は、複数の生徒に対し、勉強を教えるという名目で、自宅に連れ込んでいました。被害生徒は学校が把握した人数だけで5名。名乗り出てない生徒もいるでしょうから、実際はもっと多いと思われます。被害届けは出なかったため、警察沙汰にはならず、発覚した即日に懲戒免職となりました。



2人目は、公園で遊んでいた8歳の少女の下着に手を入れたとして逮捕されました。その後、5歳〜8歳の少女への余罪が発覚し、5度再逮捕されています。



彼らの勤務態度はいたって真面目であり、事件が発覚するまで、私は想像もできませんでした。「まさかあの人が!?」といった感じです。



特に2人目に関しては、教員として極めて優秀であり、生徒からも同僚からも保護者からも非常に慕われていました。



事件が発覚するまでは、彼は私にとって理想の教師であり、目指すべき指針として、授業の見学もよくさせてもらっていました。



さて、こういう事件が起こると、学校にたくさんのクレームが入りますが、果たしてこれらの事件の責任は、どこまで学校にあるのでしょうか?



いくら入念に面接を重ねても、学校は教職員の性癖まで把握することはできません。



また、勤務態度の良し悪しと、犯罪を犯すかどうかについての相関関係もありません。



もちろん事件を未然に防ぐための、研修やルール作りはありました。



・男性教員は生徒と二人きりになる状況を作ってはいけない。 ・補講等、やむを得ない場合は事前に届け出て、教室の窓やドアを全開で行うこと。



こういったルールがあったにも関わらず、事件は起こってしまいました。



学校は、どうすれば良かったのでしょうか?



ずっと考えていますが、私にはわかりません。



では、犯罪に手を染める教師はどれぐらいの割合で存在するのでしょうか?



文科省が発表してる数字(教員全体の0.02%)は、あくまで被害者が泣き寝入りせず、かつ学校が教育委員会に報告した数字なので、正確な数字ではありません



参考までに、私が勤務していた学校には、約50人の教師がいました。その半数が男性教員だとして、25人中2人、つまり8%が性犯罪を犯したわけです。



さらに、生徒間の「〇〇さんと〇〇先生が付き合ってるらしいよ」といった噂レベルのものや、在学中に交際を開始し、事件が発覚することなく、卒業後に結婚したというパターンも含めると、この数字は男性教員の20%にまで跳ね上がります。※ちなみに生徒間で噂になった教師と生徒に関しては、全て上に報告していましたが、証拠がないため処分の対象にはなりませんでした。



文科省の出してる数字と大きく異なりますが、私は自分が勤務していた学校が、特別おかしな学校だったとも思えません。



もちろん、女子校だったので、猥褻目的の教員も少なからずいた可能性もありますが、個人的には他の学校も発覚するかしないかだけで、大差ないと思っています。



さて、それでは、これらの事件から、自分の子どもを守るにはどうすればいいでしょうか?

教師をデータベース管理し、採用時に過去の犯罪歴を検索することが義務付けられましたが、このシステムでは初犯を見抜くことはできません。



研修やルール作りは既に実施済みです。



教室は体育の時間に更衣室として使われるので、防犯カメラの設置にも限界があります。



やっぱり最終的には、自分の身は自分で守ることを、保護者からも学校からも、ちゃんと子どもに伝え続けることだと思いますそのためには、保護者自身がちゃんと危機意識を持つことが重要です。



事件が起こった後、仮に裁判で勝ったとしてもお子さんの心の傷は、元には戻りません。



教育現場を知る者としての実感値は、決して0.02%とかじゃないんですよ。世の中、ヤバい人が一定数いますが、そのヤバい人達は教師の世界にも例外なく存在します。



子ども達に特にきちんと伝えなければならないのは、決して密室で教師と2人きりになってはいけないということです。



ありがちな事例として、部活の試合の帰りに、教師が自宅に車で送っていくパターンがありますが、複数の生徒に声をかけ、みんながいるから大丈夫と思わせて、狙った子が最後になるように画策していたりします。



また、グルーミングという言葉があるように、どんなに信頼できる存在であったとしても、決して心を許してはいけません。



グルーミングとは、性交や猥褻行為などの性的虐待をすることを目的に、未成年の子どもと親しくなり、信頼など感情的なつながりを築き、手なずけ、時にはその家族とも感情的なつながりを築き、子どもの性的虐待への抵抗・妨害を低下させる行為のことです(Wikipediaより)。



うちのミュージカル教室の男性講師は現時点で私だけですが、ご心配をおかけしないためにも、レッスン中、リアルタイムで保護者の皆さんに動画配信しています。



そのこともあり、レッスン中の着替えは、幼稚園クラスであっても必ず更衣室に移動してもらっています。性犯罪を前に、「うちの子はまだ小さいから大丈夫」はありません。



動画配信については性犯罪のみならず、生徒間の揉め事や講師生徒間でトラブルが発生したときも、事実確認のためにも機能しています。



また、舞台公演では、私以外の男性スタッフも関わることになりますが、事前に必ず保護者会とスタッフミーティングを別々に開き、楽屋には必ず生徒の女性保護者さんに交代で常駐して頂いています。男性保護者とスタッフは、ノックと声がけなしでは入室できません。



ちょっとやり過ぎなのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、教師時代の経験からすると、自分的には当たり前のことだったりします。



本当に信頼できる教師は、決して密室で2人になることはありません。決して自分から生徒に触れません(鬼ごっこやハイタッチを求められる場合など、例外はありますが)。



こういうことを話すと、ましゅさんは信頼できると言われたりしますが、私のことも決して信じないで下さいと、保護者さんには伝えています。



グルーミングという手法がある以上、誰のことも信じちゃいけないんですよ。人としてのリスペクトはあったとしても、物理的な距離は必ずとらなければなりません。



これが、生徒との間に一線を引くということであり、全ての教師が最低限身につけなければならない姿勢だと思っています。



そして、この意識は、生徒本人はもちろん、保護者の皆さんも必ず持っていなければならないものだと思います。







<著者プロフィール>

眞蔵 修平(まくらしゅうへい)

代表取締役CEO / 教育プロデューサー / 学習環境デザイナー / メンタルコーチ / 平本式認定心理カウンセラー 【プロ】/ 教育漫画家

立命館大学理工学部卒業後、公立中学校に赴任。様々な教育問題に直面し、外側から教育現場を変えることを決意。2015年より、教育系企業と関わりながら、自身の創作活動やコーチングスキルを教育現場と結びつける活動を開始。

多様性を認め、誰も苦しまなくていい環境、誰もがのびのびと生きていける環境を、教育現場を超えて提案していきたい。詳細はコチラ


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