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執筆者の写真眞蔵修平

内面的な成長は、誰も気づいてくれないので、自分自身で気づき、かつ自分自身をちゃんと褒めてあげる能力がとても重要。

更新日:2020年3月22日

昨日の打ち合わせは私にとって非常に大きなステップアップとなりました。自分の思考の整理のためにもここに残しておきます。


【前提】※企業を特定できないように多少いじっています。 ・某企業の理念浸透冊子制作案件。 ・冊子の冒頭に20pの導入漫画あり。私は主にそこを担当する。 ・コンサルチームとの共同プロジェクト。 ・コンサルチームもクライアントも、この案件に対する思いが強く、打ち合わせでぶつかること多数。 ・クライアントの社風としては、かなり保守的な傾向。 ・クライアントのチームは5人。最終決定者は1人だけど、5人全員の同意を得られないと前に進めない空気あり。


2週間ほど前、コンサルチーム主導のもと、冊子全体の打ち合わせが終わり、一旦、そこで得られた情報をもとに、漫画のたたき台を作ることになりました。


で、たたき台を提出したら、クライアントからボロクソのフィードバックが返ってきまして(笑)

でも、ここはプロとして心を無にし、ぼんやりその箇条書きされたフィードバックを眺めていると、クライアントチームの5人それぞれが、完全にバラバラの完成イメージを持っていることに気づいたんですよね。


少なくともこのことに気付くには、一つひとつのフィードバックを抽象化し、カテゴリーに分類できる能力が必要なわけで、以前の自分だったら、この時点で完全にお手上げだったでしょう。


さて、抽象化→カテゴリー分類することで浮かび上がってきたのは、主にテーマ設定、ターゲット設定の部分が曖昧であることでした。これは、クライアントチームの5人だけでなく、こちら側のコンサルチームもそうだったように思います。いや、厳密にいうと、それぞれの頭の中には明確なものがあったのかもしれませんが、ちゃんと言語化されずにここまできてしまったという印象です。


これは、かなり根本的な部分で合意形成ができてないということで、もしかしたら、さらにもっと深い部分でも、合意できてないんじゃないか?という疑問が浮かびました。


クライアントチーム、コンサルチームも含めて、漫画制作の工程を細部まで理解しているのは私だけなので、次回の打ち合わせは、私が進行する必要がありそうです。


しかし、何度もコンサルチームとぶつかっているクライアントであるし、自分がこの部分に切り込んでいくのは、正直抵抗がありまして、「感情的な展開になったら嫌だなぁ」とか「打ち合わせの進行は得意じゃないし、頼りないと思われないだろうか」とか、いろんなことを考え、3日ぐらい前から、不安でいっぱいで、何ならこの漫画案件なくなればいいのにと思っていました(笑)それほどまでに、この案件は私が関わった中で、最も面倒な案件だったのです。


不安があるのであれば、当日までに払拭すべく、入念に準備する必要がありそうです。そこで、過去に同席したいろんなプロジェクトの打ち合わせを回想し、見よう見真似で、私としては初めてのアジェンダの作成を試みました。私が今まで関わったプロジェクトは、少数編成であることが多く、議題も漫画のシナリオに関するところから始まるので、こういったアジェンダを作る必要はなかったのです。


①冊子を作る目的は何か? ②冊子における漫画部分の役割は何か? ③ゴール設定(どういう状態になればこのプロジェクトは成功と言えるか。具体的な数字で示す。) ④テーマ設定(そもそも何のために理念浸透するのか。) ⑤ターゲットの設定(何千人もいる従業員に対し、どの層に刺さる漫画を執筆すべきか。)


この打ち合わせのゴールは、ターゲットを設定し、登場人物の確定、かつ漫画全体の大まかな流れを掴むところにあります。①〜④の部分でずれていれば、何を提案しても合意は得られません。クライアントから返ってくる回答を、思いつく限り想定し、それに対し、どう反応するかを一つひとつ書き出しました。





そして、当日、1時間半に及ぶ打ち合わせで、これらの合意に成功。





コーチングを学び、未熟なりにもビジネススキルを学び、たくさんの打ち合わせに同席しては、コンサルや営業の話し方を観察し、「あそこであの発言をしたのはどういう意図があったのか?」とか「あの時、話の流れがこうなることを見据えてああいう発言をしたのか?」としつこく質問し、一つひとつを学びとして、自分の中に蓄積していったからできたことだと思います。


出版社に持ち込みしていた時代にこのスキルを持っていれば、あんなに何度も描き直しを迫られることもなかっただろうなぁと思います。


さて、この打ち合わせを振り返ってみると、いくつかの気づきがありました。


打ち合わせの進行は、具体的な問い→抽象化、抽象的な問い→具体化を繰り返し、全体の流れを把握した上で、ゴールをイメージしながら、さらにこちら側のリアクションを調整するという、かなり俯瞰的、かつ瞬発力のある思考を求められます。この視点があると、的外れな回答や、打ち合わせの意図からずれた回答がよくわかるようになることに気づきました。少なくとも、私が4人以上の会議に苦手意識があったのは、この能力が欠如していたからなんだと思います。


逆に漫画家がシナリオを書くには、ページ数やキャラの人数、締め切りなどの制限を意識した上で、その中でできる表現をイメージ、具体化していく思考が求められます。この工程には、ある程度の日数を与えられることが多く、思考としては瞬発力よりも、持久力を求められます。クリエーターが会議であんまり発言しないのは、どちらかというとこっちの能力に特化しているからかもしれません。


ところが、今回の打ち合わせでは、この2つの能力を同時に求められたわけです。クライアントのバラバラの意見を総括し、頭の中でそれらを組み立て、イメージを具体化していく作業。短距離走の選手に、長距離走の選手が必死に追いつこうとしている感じ。漫画のイメージが全然追いついてこないわけですよ。そりゃヘトヘトになります(笑)


打ち合わせの最中、何度か「イメージする時間をください」と言って、完全に沈黙する時間を何度も頂きました。が、それに対して変な空気が流れることもなく、かつイライラされることもなく、穏やかに会議が終わったのは、本当にその場にいた方々のおかげだなぁと思います。


今回の私の成長は、おそらくその場にいた全ての人が、全く気付かないほどの内面的なものです。しかし、私の中では、漫画家としてデビューしたときに匹敵するほどの成長実感がありました。企業向け漫画家として、一皮剥けた一日でした。成長の機会を与えてくださった皆さん、ありがとうございました。



<著者プロフィール>

眞蔵 修平(まくらしゅうへい)

代表取締役CEO・元数学教師/教育問題漫画家・自己変革支援コーチ

立命館大学理工学部卒業後、公立中学校に赴任。教育現場の劣悪な環境に違和感を感じ、外側から教育現場を変える様々な活動に参画。2017年Lennon’s Loupeを立ちあげる。同時に、様々な教育系企業と関わりながら、自身の創作活動やコーチングスキルを教育現場と結びつける活動を開始。多様性を認め、誰も苦しまなくていい環境、誰もがのびのびと生きていける環境を、教育現場を超えて提案していきたい。詳細はコチラ


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