• 眞蔵修平

小学生に「なぜ勉強するのか?」を問われたので自分なりの答えを提示しました。

ある小学校の5・6年生の総合的な学習の時間の取り組みで、「なぜ勉強をするのか」をテーマに学習を進めるとの話を伺いました。


その探究活動の1つとして、色々な方に尋ねてみて意見を伺うことに取り組んでいる児童がいるとのこと。


担任の先生から、「可能であれば、子ども達の手紙に対しメッセージをいただけないでしょうか」とのご依頼を受けたので、その際に回答した内容を、転載します。


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何故勉強するのか?

担任の先生からご連絡をいただき、田中さん、山田さん(生徒氏名 仮名)からのお手紙を拝読し、「何て素晴らしいテーマの授業なんだ」と思いました。


まずはこのように、疑問を持つこと自体を大切にしてほしいと思います。


そして、この問いに対する答えは一人ひとり異なるだろうし、大人でも明確な答えを出せる人は少ないと思います。


ですから、今日私がお答えする内容は、あくまで私の現時点での答えでしかないですし、私自身、成長することで、将来違う答えに行き着くということもあり得ます。

唯一の答えではないので、この内容を参考にした上で、みなさんがそれぞれの、自分自身の答えを出していくことを期待します。


例えばニンテンドースイッチやプレステなど、何でもいいんですけど、ゲームをやったとします。以前より上手くなったり、先に進んだりしたら、うれしいですよね。そしてその喜びが、またゲームをやろうという気持ちになります。

その際、「何故ゲームをするのか?」と問われれば、みなさんは「楽しいから」と答えるのではないでしょうか?


私は、勉強もそうであるべきだと考えます。いえ、勉強とは、本来そういうものです。


例えば今、みなさんがやっている算数(数学)は、もちろん数を数えるための必然性から生まれた学問ですが、昔の算数好きの人たちが、数を使ってゲームを始めたことで、飛躍的に進化してきました。相手が出してくる問題よりも、難しい問題を作り、「君はこれ解ける?俺は解けたよ。えへへ。」みたいな手紙のやりとりが実際に行われていました。youtubeや、ゲームがない時代、数で遊ぶということが、一つのエンターテイメントだったのです。


例えば、面積とは「一つの図形の中に、1cm四方のマス(四角形)がいくつ入るか?」を考えるところから始まりました。ところがある日、「円の面積って、どうやって求めるんだろうね?」と疑問を持った人が現れます。


「いや、基準になるマスが四角形なんだから、そんなの求められるわけないでしょう?」といった会話があったかどうかは定かではありませんが、ある日突然、「俺、円の面積の出し方わかっちゃったわ。」という人が現れたわけです。


周りの人は「すげー!!」と声を揃えたに違いありません。そしてその人は、鼻高々だったでしょう。


数のゲームに勝つことと、スプラトゥーンで勝つことは、時代の違いこそあれ、本質的には同じことなのです。

そして数学者と呼ばれる人たちは、現在でも最先端の数学を学び、そのゲームに挑み続けています。


さて、ここまでの話を聞くと、みなさんの中には、「スプラトゥーンはやらされないけど、算数はやりたくなくてもやらされるじゃん」と思う人もいるかもしれません。


それは何故かというと、算数のゲームには参加しなくとも、算数の考え方自体は、人が生きる上でとても重要だと、大人たちが判断したからです。


円の面積を出す機会は、大人になってからもそうそうありません。が、「昔の人たちが、未知なる難問にどのように挑み、どのように解決したのか」を知ることはとても重要です。いつの時代も、私たちの周りには、未知なる難問が無数に存在し、それらを解決するために、昔の人たちの考え方が非常に役立つのです。


例えば、友達を作るのが苦手で悩んでいる人がいたとします。その人は周りの話題についていけなかったり、自分が話した内容に興味を持ってもらえなかったり、いろいろな場面で対人関係に不安を感じていました。


それは性格の問題だから、どうにもならないことなのでしょうか?


いえ、違います。


今の時代、人が好感を持つ話題や話し方についてはもちろん、話し下手な人との関わり方といった、周囲の人が、どのようにサポートすればいいかについても、かなりの精度で明確になっています。小学生の学習科目には入っていませんが、心理学やコーチングと呼ばれる領域です。


では、彼やその周囲の人たちが、その領域を学び、友人との会話を改善したとしましょう。もしかしたら、それでもうまくいかないこともあるかもしれません。その時に初めて、「じゃあ、自分たちはどうするか?」を考えるようになります。新たな未知なる難問です。心理学やコーチングを学んだからこそ、その先の考えを巡らせ、自分たちなりの答えを出すことができるのです。


このように、人類は、先人たちの知恵を参考にすることにより、世代を超えて大きく進化し続けてきました。


大昔の人たちにとっては、雷や嵐、地震などの災害は、神の怒りそのものでした。自分たちではどうすることもできず、ただ恐れていることしかできませんでした。しかし、科学が発達することにより、「自然災害も、対策をちゃんとしていれば、特に恐れるほどのことでもない」ということがわかってきました。


先ほどの例で出した、「友達を作ることが苦手」という悩みも、人間関係に不安を感じているからこそ生まれてくる悩みです。


なので、何故勉強するのか?という問いには、「恐怖や不安、疑問を克服するため」と答えるのが適切かもしれません。


言い換えれば、それを「成長」といいます。人は、これらを克服することで成長し、以前よりも大きくなった自分に、誇りを持てるようにできています。そしてそのことに喜びを感じれるようにできています。世の中に溢れるゲームや、遊びは、その喜びを簡単に感じられるようにプログラムされているのです。


さて、ここまでで、「恐怖や不安、疑問の克服」こそが「成長」であり、「成長」そのものが喜び、つまりはエンターテイメントであるということを話してきました。


逆に言えば、勉強をつまらなく感じてしまうのは、その労力に対し、あまり成長を感じられないからかもしれません。


ゲームほどではありませんが、より効率的に成長する方法を考えた人たちがいます。「教育」について研究している人たちです。


デイビッド・コルブという教育理論家が考えた「経験学習サイクル」という教育理論があります。


経験→省察→概念化→実践 と、難しい言葉が並んでますが、意味がわかれば小学生でも簡単に理解できます。





何かを経験したら、そのことを振り返りましょう(省察)。そして、そこで得た学びを、他のことで活かせないか考えましょう(概念化)。実際、他のことに活かしてみましょう(実践)。そして新たに経験し、それらを繰り返していきましょうということです。


このサイクルをぐるぐる回すことで、人は飛躍的に成長できることがわかっています。


例えば、野球のクラブチームに所属している男の子がいたとします。

彼は、そのクラブチームのある日の練習を通じて(経験)、前向きな声がけをすることで、チームの動きがよくなることに気づきました(省察)。「声がけ、めっちゃ大事」と気づいた彼は(概念化)、学校の自分のクラスでも、前向きな声がけをしてみると、クラスメイトとの関係性もよくなっていきました(実践)。


このように、Aで学んだことをBに応用し、Bで学んだことをCに応用し……と繰り返していくことで、たった一つの学びを、いろんな場面で応用していくことができます。


「学校の勉強が、何の役に立つのか?」という疑問は、大人の間でもよく耳にします。

でも、「何の役に立つのか」ではなく、「自分の人生にどう役立てるのか」を考えるところまでが勉強なのかもしれません。そして、どう役立てるかについては、一人一人答えが違うので、学校の先生も教えることができません。


ただ一つ言えるのは、何の役に立つかは、勉強をした人にしかわからないということです。勉強をしてきた人は、人生のいろんな場面で、それこそ経験学習サイクルを回しながら、「あ!あの時の知識をここで役立ててみよう」とか、「あれ?これってあのとき学校で習ったやつの応用で解決できるんじゃない?」という場面に遭遇します。しかし、勉強して来なかった人は、そもそも知識がないので、そういった場面に遭遇しませんし、遭遇したところで気がつきません。


そして、人は、知識を人に話すことで、自分自身だけでなく、周囲の人の悩みを解決したり、助けることもできます。その助けられた人が、また別の人の悩みを解決し、助け、その助けられた人がまた……。喜び、幸せの伝染ですね。


何故勉強するのか?

「恐怖や不安、疑問を克服し、自らが成長することで、自分自身も、周囲の人も、幸せにするため」と、私はこたえます。









<著者プロフィール>

眞蔵 修平(まくらしゅうへい)

代表取締役CEO / 教育プロデューサー / 学習環境デザイナー / メンタルコーチ / 平本式認定心理カウンセラー 【プロ】/ 教育漫画家

立命館大学理工学部卒業後、公立中学校に赴任。教育現場の劣悪な環境に違和感を感じ、外側から教育現場を変える様々な活動に参画。2015年より、様々な教育系企業と関わりながら、自身の創作活動やコーチングスキルを教育現場と結びつける活動を開始。

多様性を認め、誰も苦しまなくていい環境、誰もがのびのびと生きていける環境を、教育現場を超えて提案していきたい。詳細はコチラ


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