top of page
  • 執筆者の写真眞蔵修平

小学校の「キャリア教育」の授業にゲスト講師として呼ばれました。

更新日:2020年3月22日

岡山県にある備前市立西鶴山小学校にて、キャリア教育のゲスト講師としてお呼びいただきました。『学び合い』の書籍も出してらっしゃる、川西弘幸先生にお声掛け頂いたのがきっかけです。



一言で「キャリア教育」と言っても、相手はアルバイトさえもしたことのない小学生です。私自身のキャリアの話をするにしても、かなり複雑だし、時間もかかるので、彼らにもわかる言葉に翻訳して話さなければなりません。



彼らにとって、記憶に残る授業とは、どんなものでしょうか。少なくとも「夢を持て」などという平凡な授業ではなさそうです。



また、45分間、一方的に話すだけでは集中力は続かないでしょうから、何かワークを用意する必要がありそうです。



そんなこんなで、ぐるぐる考えた内容がこちらです↓




自分のキャリアを語るなら、教育と漫画を掛け合わせたことは外せないな。

これって結局、肩書きの話だから、名刺を作るワークを入れれば、子ども達の集中力も持ちそうだ。

いや、名刺といっても子ども達にはピンとこないだろう。

だったら、自分の得意を2つ以上組み合わせて、肩書きを作るワークはどうだろう?

いや、そもそも「肩書き」と言われてもピンとこないかもしれない。

ん〜、じゃあ自分の得意を2つ以上組み合わせて、キャッチコピーを作るワークならどうか。キャッチコピーなら、小学生でも自己紹介の場面で使えるかもしれない。




というわけで、教師としての挫折、漫画家としての挫折を語った後、「漫画」と「教育」を組み合わせて、「教育問題漫画家」という肩書きを作り、今の自分の立場があるという話をしました。



その時、子ども達に強調して語ったことは以下の通りです。


・何か一つの夢を追いかけていると、必ず苦しい場面に遭遇する。

・夢が1つだけだと、叶わなかった時に、自殺を選んでしまう人もいる。

・夢を追いかけること自体は否定しないけど、絶望してしまわないように、得意なことを2つ以上持つことが重要。

・2つ以上の得意を組み合わせれば、そのそれぞれで必ずしも1番にならなくてもいい(他と差別化できるから)。

・1番じゃなくていいってことは、極端な話、得意じゃなくてもいいってこと。好きなこと、これからやりたいことでも全然構わない。



その後、自分の強み、魅力、得意なこと、好きなこと、これからやりたいことを思いつく限り、だーっと書き出してもらい、次に、友達に聞いて、自分では気付けなかった魅力を教えてもらいます。そこで出てきたものを2つ以上組み合わせて、人の記憶に残るキャッチコピーを考えてもらいました。



これらができると、何がいいかというと、

① ライバルのいない(もしくは少ない)ところで勝負できる。

② 競合が参入してきても、新たな強みを組み合わせることで差別化できる。

③ ①②を繰り返しているうちに、新たな強みを求めて、新たな分野を学ぶようになり、キャリアを柔軟に変化させることに抵抗がなくなる。

④ 時代に合わせて自分を変化させられるので、仕事に困らなくなる。

といったところでしょうか。



子ども達の反応を見る限り、ちょっと難し過ぎたかなぁと反省しましたが、後日、川西先生から、私の授業について、子ども達が話している場面があちこちで見られたとの嬉しい連絡があり、少しばかり安堵しました。



私にとっては、普段関わることがない人たちを想定した講義を設計する難しさや、キャリアを子ども達に語ることの難しさを体感することで、深い学びを得るきっかけとなりました。



キャリア教育の授業の後は、『学び合い』を10年やってらっしゃる川西先生の授業を見学させていただき、その後『学び合い』について、無数の質問に答えていただきました。今回の経験は、間違いなく今後の弊社の活動に活きていくと思います。



深い学びの機会をありがとうございました。