微力ながら、部活問題に関わらせて頂いた経験(ご存知ない方はこちらをご覧ください。)から、一般人が国家、あるいは世界を変える流れについて仮説を立ててみました。どこまで一般化できるかはわかりませんが、ハラスメント問題など、ボトムアップで会社組織を変えたいときも、この流れでやれば、ある程度有効かと思われます。もしかしたら組織開発関連の書籍を調べれば、理論化・体系化されているかもしれません。
仕組みを変えるには4つの段階が必要だと思われます。
①声を上げる段階
②議論する段階
③対話する段階
④仕組みを改変する段階
(※1 議論と対話の違いについて)
①の段階の目的は、世間に認知してもらい、共感者を増やし、かつ無関心だった人達を議論に巻き込んでいくことなので、感情に訴えかける言葉がかなり重要です。なので、この段階では、言葉のチョイスはある程度過激なものがいいでしょう。ただ、個人や特定の組織を攻撃するのではなく、あくまで問題提起にとどめておくことが重要です。
例)「公立中学校 部活動の顧問制度は絶対に違法だ!!」
「保育園落ちた、日本死ね」
①の段階が話題になり、何度もメディアに取り上げられるようになると、速やかに②の段階に移行します。
ここで重要なのは、
・議論が発生していること自体が進捗の証であることを忘れないこと。
・議論の火が消えてしまわないように、毎日発信すること。
・どんなに過激なことを言われても、どんなに理不尽なことを言われても、それらは進捗の証であり、自分たちだけは感情的にならず、淡々と論理だけで丁寧に語るか、もしくはスルーすること。
・一番の理想は、反対する人達にも、共感と寄り添いを見せること。
・反対派を排除しようとしたり、こちら側が感情的になってしまうのはNG。
この段階で感情的な言葉を使うと、折角の共感者も去っていきます。逆に言えば反対する人達にも味方になってもらえるよう、真摯な姿勢を見せることが重要です。ここが踏ん張り所。長期戦の覚悟が必要。
議論が活発になり、それらに丁寧に答え、共感者が一定数を越えると、自然と③の段階に入っていきます。この段階になると、対話そのものが成熟してるので、④の段階に入るのも時間の問題。
例えば、フェミニズム問題を例にあげますと、個人的には、もう①の段階は通過したと思っています。が、②の段階で双方が感情的になっていて前に進んでいない状態。また、賛成派、反対派といったシンプルな問題ではなく、それぞれに多様な意見があるのが、議論を難しくしているように思われます。
ちなみに②の段階で白熱するとどうなるかというと、議論での心理的安全性が担保できなくなり、議論に参加する人自体が少数派になっていきます。認知・共感はしているけど、静観している人が多数。
フェミニズム問題はまだまだ時間がかかりそうですね。
いずれにしても、世の中には、様々な問題がありますが、①〜②の段階では、問題を提起した人達、もしくはその直近の人達に、場をコントロールする力が求められます。③〜④の段階になると自動的に進んでいくのですが、的外れな仕組み改変が行われる場合があるので、しっかり目を光らせておく必要があるでしょう。
以上、非常に根気のいる作業ですが、何かのお役に立てば幸いです。
※1
【議論】
緊張感のある話し合い。相反するA、Bのどちらかに決定しなければならない時などに、意見をぶつけ合うコミュニケーションスタイル。
【対話】
自由な雰囲気の中で行われる真面目な話し合い。互いの意見を尊重し、相互理解を深め、A、BだけでなくC、Dといった他の可能性も探りながら答えを見つけていくコミュニケーションスタイル。
<著者プロフィール>
眞蔵 修平(まくらしゅうへい)
代表取締役CEO・元数学教師/教育問題漫画家・自己変革支援コーチ
立命館大学理工学部卒業後、公立中学校に赴任。教育現場の劣悪な環境に違和感を感じ、外側から教育現場を変える様々な活動に参画。2017年Lennon’s Loupeを立ちあげる。同時に、様々な教育系企業と関わりながら、自身の創作活動やコーチングスキルを教育現場と結びつける活動を開始。多様性を認め、誰も苦しまなくていい環境、誰もがのびのびと生きていける環境を、教育現場を超えて提案していきたい。詳細はコチラ。
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